猫白血病ウィルス(FeLV)感染症を知ってますか?
◆どんな病気なの?◆
○ 猫白血病ウィルスによる感染症です。このウィルスは、白血病(血液のガン)やリンパ腫(リンパ節の腫瘍)を発症させるだけでなく、猫の免疫力を低下させるので、肺炎、口内炎、カビ感染症、貧血などのさまざまな病気にかかり易くなります。
○ 発症したらほとんどの猫は2~5年以内に死んでしまいます。
○ しかし、このウィルスに感染しても病気を発症せずに体内にウィルスを保有した状態で寿命を全うする猫もいます(持続感染、キャリア)。しかし、ウィルスを他の猫にうつしてしまう可能性があります。
○ このウィルスは、感染している猫の唾液の中に多量に存在しているので、ケンカでの咬傷やグルーミング、食器を介して健康な猫に感染します。また、感染している母猫から胎盤やお乳を介して胎子や子猫に感染します。幼若な猫は感染し易く、キャリアになり易いです。新生子では80~100%、3か月齢では25%が持続感染し、一歳を超えるとほとんど持続感染しないでウィルスが消失したとの報告もあります。
◆どうやって治療するの?◆
○ 体内からウィルスを排除するのは困難です。ウィルスをやっつける治療法は確立していません。
○ 症状に合わせた対症療法で状態を緩和し、延命措置を施す治療が主となります。
◆病気にならない対策は?◆
○ 根本的な治療法がないので、感染させないための予防が大切です。
○ 予防法の一つは、ワクチン接種です。ただし、ワクチンでの感染予防は80~90%程度と報告されており、万全ではありません。
○ 最も理想的な予防法は感染猫との接触をさせない事です。そのためには、室内飼育とし、外出をさせない事です。また、新たに猫を飼う際には感染の有無を調べて感染していない猫を飼う必要があります。
◆感染しているか、していないか分かるの?◆
○ 猫白血病ウィルスに感染しているか、感染していないかは、血液を検査することで分かります。採血した後、検査キットを用いて検査(FeLV抗原の有無)します。検査時間は、約15分程度です。
※ ただし、感染初期(感染後4~6週)は感染していても抗原が検出されないことがあります。そのため、確実な判定には、間隔を空けての再検査が必要です。
※ また、結果が陽性となっても、約1か月~4か月後に陰性に転化する(ウィルスの排除)こともあります。そのため、確実な判定には、間隔を空けての再検査が必要です。