猫の年齢の見分け方
猫ちゃんの診察に来られた飼い主さんに「この猫は迷い込んできたのだけど何歳ぐらいですか?」と良く尋ねられます。ワンちゃんと違って、猫ちゃんは放し飼いにされていることが多いため、迷子になってしまったり、飼い主の知らないうちに外で子猫を産んでしまったりします。こんな猫ちゃんが迷い込んできてそのまま飼った場合に“年齢不詳の猫”となってしまします。そこで今回、猫の年齢を推測する方法をまとめてみました。
子猫期の年齢の見分け方
子猫期の猫は成長がとても激しいので、生まれたのが1ヶ月違うだけで見た目も大きく違ってきます。成猫に比べて、細かい月齢が見分けられるでしょう。
・出生直後(100g前後)被毛はまだ薄くてボサボサ。目は開いていない。耳も聞こえていない。排泄が自力で出来ない。一日のほとんど眠っている
・1週間(200g前後) 目(青色)が開き始める(生後7~10日で目が開く)
・2週間 耳が聞こえ、音に反応するようになる。
よちよち歩きを始める。
・3週間(300g前後) トイレを覚え、離乳食も食べられるようになる。
好奇心旺盛な時期
・1か月齢(400g前後)見た目も猫らしくなり、やんちゃな時期
乳歯が生え始める。離乳食を与え始めてもいいとされています。
・2か月齢(1㎏前後) 自力で排泄できるようになる
乳歯が生えそろっていれば生後2か月頃だと判断しましょう。
・3か月齢(1~1.5㎏前後)体重に個体差が出る
・3~5か月齢 目の色が青色から黄色緑色へと変化する
耳がピンと立っている。元気に遊びまわる。
乳歯が抜け始める。
※生後3~5ヶ月齢では、乳歯が抜け始めているかどうかと、瞳の色が子猫独特のキトンブルーから猫が持つ本来の瞳の色に定着しているかがポイントです。キトンブルーと呼ばれる青い瞳は、生後間もない頃から生後3ヶ月頃までにしか見ることができません。もちろん、遺伝で瞳の色がブルーの場合は別ですが、そうでない場合は目の色が本来の色に定着していれば、生後3ヶ月を過ぎた頃だと判断する事ができます。
・6か月齢(2.5~3.5㎏前後)6ヶ月齢の頃には乳歯が抜けて永久歯が生え揃う
顔つきも凛々しくなり猫らしい表情になる
・6~8か月齢 サラサラした被毛に生え変わる
よく遊んで、よく食べて、よく眠る
※生後6~8ヶ月齢では、永久歯がポイントです。永久歯が生え揃っていれば、生後6ヶ月を過ぎた頃と判断しましょう。また、個体差はあるものの、猫は平均して生後6ヶ月頃~10ヶ月の間に性成熟を迎えます。
・9~12か月齢 ややあどけなさが残っているが、成猫と同じくらいの大きさになる
メスは発情期を迎える(オスはメスの発情に呼応する)
・1歳(3.5~4.5㎏) 成猫の体型・体重となる。
※品種によって異なりますが、生後1年を迎える頃には、成猫とほぼ同じ大きさになります。また、人間でいう前歯にあたる門歯が抜け始める場合もあります。
成猫期の年齢の見分け方
成猫になると、子猫期のように見た目での変化では見分けられません。
・1~2歳 骨格がほぼ形成され、猫として1人前となる
白く輝いていた歯(1歳未満)がやや黄ばみ始める
完全に自立し、遊びのスタイルにも個性が現れる
未去勢のオスは発情が盛んになり、凶暴化することがある
・3~5歳 毛ヅヤが一番良い時期でツヤツヤしている
歯には歯石がついたり、やや摩耗してくる
落ち着く子もたまにいるが、基本的には活発でよく食べてよく遊ぶ
未去勢のオスは精力がピークな時期なのでケンカしやすい
・6歳 口の周りに白い毛が生えてくる
遊びへの関心も薄れて、のんびり過ごすようになる
肥満や病気になりやすい(急激な体重の減少にも注意)
※成猫期の年齢の見分け方は、個体差も大きいためとても難しいのですが、口内環境や歯を見ると分かりやすいかもしれません。歯の擦り減り方や、歯石の付き方、また歯茎の状態も目安のひとつになります。ただ、野良猫の場合は栄養状態が悪く、実年齢よりも身体の老化が進んでいる場合もあります。
シニア(老猫)期の年齢の見分け方
シニア期の猫の見分け方で変化が顕著に表れる部分は「歯・歯茎」や「被毛」です。
・7歳 歯の先が丸くなる
表情がやわらかくなったように見える
一日をのんびり過ごす
・8~9歳 歯がすり減り、歯茎に色素沈着も増えていく
体もかたくなるため毛繕いが行き届かず、被毛がボサボサになる
寝て過ごすことが多くなるため、肥満体質になりやすい
・10~15歳 歯が大きくすり減り、色素沈着も顕著に現れる
歯が抜ける子もいる
毛ヅヤもなくなり、白髪が目立ってくる
足腰が弱くなるため、一日のほとんどを寝て過ごす
※シニア期の猫は、上記の他にひげが減ったり、短くなったりすることもあります。また、瞳に濁りが出る、爪とぎの回数が減ることで爪が伸びがちになる等も、シニア期の特徴です。