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猫免疫不全ウィルス(FIV)感染症(猫エイズ)を知ってますか?

猫免疫不全ウィルス(FIV)感染症(猫エイズ)を知ってますか?

どんな病気なの? 

○ 猫免疫不全ウィルスによる感染症です。このウィルスに感染した猫は、当初、発熱、下痢、リンパ節の腫れ、白血病減少、貧血などがみられ、その後、何年もかかって免疫系の障害を起こします。そのため、さまざまな感染症(口内炎、鼻炎、皮膚炎、腸炎など)を発症します。

○ 発症した猫の50%に口内炎がみられ、エサを食べないという理由で求診されます。

○ 最終的に後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症し、激しく痩せ、貧血も進み、汎血球減少症、神経症状(脳炎)、悪性腫瘍、日和見感染(クリプトコッカス症、カンジダ症、ヘモプラズマ症、毛包虫症など)がみられます。エイズ発症から数か月以内には死んでしまいます。

○ ただし、感染しても無症状のまま生存する猫もかなりいます。しかし、一旦感染すると猫の体内からウィルスが消えることはなく、終生、抗体陽性となります。

○ このウィルスは、感染している猫の血液や唾液(ウィルスは唾液に多く存在している)が傷口から入って感染します。ケンカでの咬傷での感染が多いと思われます。

○ 感染は外に出る成猫に圧倒的に多く、特に雄に多いです。日本では外に出る健康猫の集団での感染率は約12%であると報告されています。

 

どうやって治療するの? 

○ 体内からウィルスを排除するのは困難です。ウィルスをやっつける治療法は確立していません。

○ 症状に合わせた対症療法で状態を緩和し、延命措置を施す治療が主となります。

 

病気にならない対策は? 

○ 根本的な治療法がないので、感染させないための予防が大切です。

○ 予防法の一つとして、ワクチン接種がありますが、予防効果についてはまだ検証の余地があると言われています。

○ 最も理想的な予防法は感染猫との接触をさせない事です。そのためには、室内飼育とし、外出をさせない事です。また、新たに猫を飼う際には感染の有無を調べて感染していない猫を飼う必要があります。

 

感染しているか、していないか分かるの? 

 ○ 猫免疫不全ウィルスに感染しているか、感染していないかは、血液を検査することで分かります。採血した後、検査キットを用いて検査(FIV抗体の有無)します。検査時間は、約15分程度です。